どうも。あっきーです!
今回は、10月から現在開催されているフェルメール展へ行ってきました。
僕自身もかなり楽しみしていて、まだかまだかと待ち望んでいたものでもあります。
SNSでは連日大行列の写真がアップされていて、本当にすごい人気なんだなあと感じされられます。
そんなフェルメール展、今回は全35作品のうち9品が日本来日と言うことで、これらの絵画についての説明と目にした時の感想もあわせて紹介したいと思います。
開催期間
2018年10月 〜
フェルメールとは?
17世紀のオランダを代表する画家、ヨハネス・フェルメール。
オランダの小さな都市デルフトで育った彼は当初は遠い昔の物語である神話画や宗教画を描いていました。
やがては日常の一コマを切り取ったような風俗画へとシフトしていきます。
そんな彼の描く風俗画の世界は静けさと安らかさに満ちています。
「光の魔術師」とも呼ばれていることから、粒子までをもとらえた光の描きかた、独特な質感が特徴でもあります。
また彼の残した作品は少なく、現存している作品は、真作贋作不明のものを含めると37点しかないという希少性の高さも特徴です。
今回の9作品
マルタとマリアの家のキリスト
1654-1655年頃
158.5×141.5㎝
「ルカによる福音書」に登場するマルタ(奥)は、主イエスの説教に聞き入り給仕をしないマリア(手前)を咎めるも、主イエスはマルタに「マリアは正しい。マリアは神の言葉を選んだのだ。」と諭している場面。
日本人から見て宗教画特に聖書の内容は理解しにくいですが、目の前にしたときにフェルメールとは思えない迫力とサイズの大きさに圧巻でした。
取り持ち女
1656年
143×130㎝
フェルメールが主題画題を歴史画から風俗画へと転じるきっかけとなった作品。何度も大幅な修正を加え試行錯誤の末に完成した本作には色彩、構図の均衡と調和が表れており、以後の作品の方向性を決定ずける1枚になりました。
場面は売春宿。取り持ち女とは娼婦と客との仲介を行う人のことを言いいます。一枚目の宗教画と異なり描き方が大きく違っていますね。
ワイングラス
1661‐1662年頃
67.7×79.6㎝
女性が口に当てているワイングラスはほとんど空で、その横で男性がつぎ足そうと待っている。テーブルや椅子に置かれた楽譜やリュートは男女の「愛」を暗示している。一方、部屋の窓の紋章には、馬の手綱を持つ女性が描かれています。この女性像は「節制」の擬人像で色恋沙汰を戒める寓意であるといいます。
恐らくこの男性はこの女性に好意を抱いていてワインを用いて誘惑しているところで、節制の意味は、この女性に度を越えないようにと注意をほのめかしているのだと思います。果たしてこの女性はワインを飲んだのか。。。?
そして本作は日本初公開の作品になっています。
リュートを調弦する女
1662-1663年頃
51.4×45.7㎝
画面には一人の女性しか描かれていないが、手前に引かれた椅子や、床に置かれた楽器ヴィオラ・ダ・ガンバと楽譜はもうひとりの奏者の存在を感じさせます。窓の外に向ける彼女の視線の先には、彼女と演奏する予定の、あるいはすでに演奏を終えた人物がいるのかもしれません。
ストーリーを連想してしまう1枚ですね。彼女の微笑ましい表情を見るとこれからを楽しみにしているようにも、終わった後の余韻にひたっているようにも見えます。どっちだろう。。。?
真珠の首飾りの少女
1662-1665年頃
56.1×47.4㎝
窓から光が差し込む室内で、女性が壁にかかる鏡を見ながら真珠の首飾りを結ぼうとしています。テーブルの上にはたらいやパフが置かれており、身支度の最中でしょうか。
うれしそうな表情とは裏腹にどこか緊張しているようにも見えます。どこへ出かけていくのでしょうね。背景の白い壁に写る光の差し込み方がきれいですね。
手紙を書く女
机に向かい手紙を書く女性がこちらに顔を向けて微笑んでいます。この黄色い上着はフェルメールの財産目録にしるされているものと同一とみられ、「リュートを調弦する女」や「真珠の首飾りの女」にも描かれています。
フェルメールの持つ静謐さがよく表れていると感じました。彼女のいる空間は静けさと安らぎに満ちているように感じます。外からの光に照らされた黄色の上着が溶け込んでいるようできれいですね。
赤い帽子の娘
1665‐1666年頃
23.2×18.1㎝
光が強すぎたために、女性の姿は不鮮明で焦点があっていない。現在の写真機の原型であるカメラ・オブスクラを活用したことで知られるフェルメールは、写真であれば失敗作となるところを巧みな視覚効果として仕上げています。
写真用語でハレーションと呼ばれているマイナスな現象をプラスに変えて表現していることはさすがだなと感じました。どこか神秘的に見えたのはこの効果だったのか。羽毛の帽子も何度も色を塗り重ねて質感が伝わってきますね。
本作も日本初公開の作品になっています。
手紙を書く婦人と召使い
1670‐1671年頃
71.1×60.5㎝
手紙を書く女主人がうつむいているのに対して、画面中央に立つメイドは窓の外に視線を向け手紙を書き終えるのを待っています。背景の絵画は旧約聖書の「モーセの発見」という作品。
この「モーセの発見」が表すのはこの二人の心情を表しているそうです。子供のことについての心配ごとがありそのことについて書いているものだという考察があります。床に落ちている手紙のようなものは誰のものなのでしょうか。。。?
牛乳を注ぐ女
1658‐1660年頃
45.5×41㎝
穏やかな光が入る簡素な部屋で、女性が牛乳をゆっくり鉢に注いでいる。パン粥を作っている最中なのでしょう。また働く女性を単独で描いている唯一の作品。
硬くなってしまったパンを牛乳と煮込んで食べるという当時のオランダではあたりまえの光景ですが、なぜこんなに魅力的に見えるんでしょう。後ろのかごや硬そうなパン、水差しなどひとつひとつがリアルに描かれていて質感が伝わってきます。女性がしている前掛けが深みのある青できれいですね。これが有名な「フェルメールブルー」ですね。
遠近法の1つで、彼女の右手の上の壁を支点としてピンを刺し、そこから窓に向かって直線上に窓枠を描いています。
フェルメール作品に多くみられる青と黄色の組み合わせの配色です。青の絵の具は、当時金よりも高価な顔料とされたラピスラズリを使用しています。
写実主義をつらぬいた1枚は壁に刺さる釘1本さえも忠実に描いています。
ポワンティリスムと呼ばれる点描技法で、砕いたパンとパンの籠に光の滴を表現しています。
最後に
フェルメールいかがでしたか?
僕が初めてフェルメールの作品と出会ったのはもう10年ほど前の2008年。
デルフトの画家たちというタイトルで、当時絵画にあまり興味がなかった僕がまるで呼ばれるかのようにフェルメール展へ行き、そのとき心に残ったのが「小路」という作品でした。
フェルメールは僕の絵画芸術への世界を開いてくれた画家といっても過言ではありません。
ほかにも現在、ムンク展やルーベンス展も同時開催中なので時間を見つけていこうと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。